中小企業は,日本の全企業の約99%以上を占め,まさに日本経済の屋台骨を支え,これを牽引する重要な存在です。
中小企業を経営する皆さまや個人事業主の皆さまは,雇用を守り,運営する事業を成長・発展させるため,日々奮闘されていますが,日常の事業運営においては,様々な法的紛争やトラブルが生じるリスクにさらされています。
たとえば,割増賃金請求や解雇無効・いわゆる雇止め無効の争いといった労使間紛争,近頃よく耳にするセクハラやパワハラ等の各種ハラスメントに対する対応,取引先との契約をめぐるトラブル,破綻が懸念される取引先に対する債権保全及び債権回収,対外的取引に伴う損害賠償請求やクレームへの対応等々,これらの法的紛争やトラブルは,どの中小企業等においても生じ得るものです。
特に,ひと昔前に比べ,労働者側の権利意識が高くなり,労働基準監督署等の法執行機関の取締り等が強化されている流れのなか,上記のような法的紛争やトラブルに巻き込まれるリスクは,非常に高まっています。
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1実は弁護士の敷居は高くありません
弁護士に対しては,一般的に「敷居が高い。」,「何をどのように相談してよいかわからない。」といった声が寄せられることが多いようです。
中小企業を経営する皆さまや個人事業主の皆さまの中にも,弁護士に対し,「敷居が高い。」,あるいは,「弁護士は,取引相手等から訴えを起こされるなどした場合に,初めて相談すればよい。」といったイメージを抱いている方が少なくないと思われます。
もちろん,不幸にも法的紛争やトラブルが生じてしまった場合に,それらを迅速かつ適切に解決することは,私たち弁護士の大切な使命です。しかし,ひと度法的紛争等が生じてしまった場合,訴訟対応等に貴重な時間や労力を割かなければなりませんし,訴訟等の結果いかんによっては,高額な解決金の支払を余儀なくされるなど,多大なコストを負担することになりかねません。そして,そのような法的紛争等が繰り返し生じれば,大切な事業運営にも支障が生じかねません。
皆さまが今後それぞれの事業を安定的に運営していく上においては,少ないコストで,上記のような法的紛争等を未然に防止することが重要です。
現実に法的紛争等が生じてしまった場合の解決はもとより,それらを予防するために,関係法令等に精通した顧問弁護士にいつでもアクセスでき,顧問弁護士から,日常的に生じ得る法的紛争等を想定した適切な助言・アドバイスを受けられ,あるいは,必要な社内体制・制度の整備等の支援を受けられる体制を構築しておくことが,これまでに増して重要になります。
2少ないコストで法務部門と同等以上の役割を果たす顧問弁護士
中小企業の経営者・個人事業主の皆さまの中には,コスト負担の観点から,顧問弁護士の導入に踏み切れないという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし,中小企業等において,自前の法務部門を整備しているところは極めて稀であり,法務部門を持たない中小企業の経営者・個人事業主の皆さまだからこそ,法的問題をいつでも気兼ねなく相談できる相手として顧問弁護士を導入する必要性が高いのです。自前の法務部門を整備し,必要な人材を雇い入れるとなると,それこそ莫大なコストがかかります。
他方,顧問弁護士と顧問契約を締結すれば,一定のランニングコストはかかりますが,コストを極力抑えて事業運営に伴う様々な法的リスクをヘッジすることができます。
私たち弁護士は,日常的に様々な紛争・トラブルに対処していますが,その中でつくづく感じるのは,「顧問弁護士として事業運営に日常的に関与し,事前に相談を受けていたら,紛争自体をうまく回避できたのではないか。」といった忸怩たる思いです。
私たち弁護士の存在価値は,訴訟代理やそれを通じた紛争解決にとどまらず,むしろ日常的に生じ得る法的紛争等を未然に防止する点にあることをご理解いただき,皆さまの安定した事業運営のために顧問弁護士を積極的にご活用いただきたく思います。