債務整理について

1債務整理の方法

債務整理の方法

それぞれの収入にもよりますが,借金が一定額以上になりますとその返済に追われ,借金の返済のために新たな借金をするという,いわゆる自転車操業の状態に陥ります。

このような状況から脱出し,平穏な日常生活を取り戻すためには,以下のいずれかの方法で借金を整理する必要があります。

  1. 任意整理による借金整理法
  2. 民事調停(特定調停)による借金整理法
  3. 個人(民亊)再生による借金整理法
  4. 自己破産による借金整理法

①任意整理による借金整理法の場合

①の任意整理による借金整理法は,比較的借金が少ない場合などに,裁判所等の公的機関を通さずに,私的に債務を整理することを目指すものです。債務者の支払能力等に応じて債務の減額等を求め,債権者との合意に基づき一括弁済ないし分割弁済で支払うという方法がとられます(債権者との交渉を要するので,通常は,専門家である弁護士に依頼して行うことになります。)。

②民事調停(特定調停)による借金整理法の場合

②の民事調停(特定調停)による借金整理法は,抱える借金があまり多くない場合の整理法で,簡易裁判所に対し調停を申し立てて行います。調停委員からは,利息制限法の金利に引き直した調停案が提示され,当事者双方(債務者及び債権者)が合意すれば調停が成立し,減額された債務を弁済していくことになります。

③個人(民亊)再生による借金整理法の場合

③の個人(民亊)再生による借金整理法は,一定の条件に該当する人が裁判所へ申立てを行うことにより,減額された弁済金を分割で返済していくもので,これには小規模個人再生と給与所得者等再生があり,また住宅資金特別条項を定めることにより住宅を失うことなく再生が図ることができます。この整理法を利用する大きなメリットは,債務者が多額の住宅ローンを抱えている場合に,住み慣れた住宅を手放すことなく,再生を図ることができる点です。

④自己破産による借金整理法の場合

④の自己破産による借金整理法は,債務者が既に支払不能の状況に陥っている場合の借金整理法です。裁判所に対し,破産手続開始の申立てを行い,その決定を得て,さらに免責の決定を得れば,租税等の一部の債務を除いて借金はなくなります。

2弁護士に依頼するメリット

上記①~④の借金整理法のうち,いずれの方法を選択するかは,債務者個々の事情に応じて判断することになりますが,いずれの方法によるにしても,破産法,民事再生法,利息制限法等の法律知識や経験が物を言います。

借金整理は,自分,あるいは,親戚の者等でも行うことはできますが,現実的には,法律知識や経験の乏しい一般の方々が各債権者に互角に対応していくことは不可能といえるでしょう。

自己流に対処して将来に取り返しのつかない禍根を残すことがないように,各手続に精通した弁護士に相談し,必要な手続を依頼することがとても重要です。

皆さまの中には,借金整理をめぐり,「整理屋」,「買取屋」,「紹介屋」といった言葉をお聞きになったことがある方もいらっしゃると思います。かつて,スポーツ紙や町の電話ボックスなどに貼られたチラシなどに「借金でお困りの方はご相談ください。」旨の甘い勧誘の広告文を目にすることがよくありました。これはいわゆる「整理屋」,「買取屋」,「紹介屋」と呼ばれる悪質業者です。

「整理屋」,「紹介屋」は,詐欺同様の手口で他から借金をさせたり,親族名義の不動産に無断で担保を設定させたりします。また,「買取屋」は,クレジットカードで高価な品物を購入させてそれを安く買い取り,当面の返済金を作らせたりします。依頼者自身が詐欺罪に問われ,あるいは,大切な家族や知人まで借金地獄に巻き込むという最悪の状態に陥りかねません。

今でも,このような悪徳業者らは,多重債務に苦しんでいる人たちから甘い汁を吸おうと虎視眈々と狙っています。借金整理を甘く見てはいけません。もし,多額の債務を抱え,対応にお困りになりましたら,各手続に精通した弁護士に相談し,必要な手続を依頼するようにしてください。

もちろん,借金整理を弁護士に依頼すれば,一定の費用負担が発生しますが,これは,借金苦に伴う肉体的・精神的負担から解放され,平穏な日常生活をいち早く取り戻すためのミニマムコストとご理解ください。

このようなコストの負担でさえ厳しいという場合には,全国各地に事務所を置く日本司法支援センター(法テラス)を利用することが考えられます。

この機関は,生活保護受給者や,生活保護は受給していないものの,これに近い程度の所得の場合に,審査の上で,要件をみたすと判断される場合には,弁護士費用を一時的に立て替えてくれます(ただし,自己破産事件の予納金は立替えの対象とはなりませんし,民事再生事件の予納金については,生活保護の受給の有無にかかわらず,立替えの対象とはなりませんので,ご注意ください。)。

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